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特集 便秘を科学する
外科医の視点
-――慢性便秘症の診断と治療の鍵
Key points of diagnosis and therapy for chronic constipation from surgeon’s view
河原 秀次郎
1
Hidejiro KAWAHARA
1
1国立病院機構西埼玉中央病院外科
キーワード:
結腸運動機能障害
,
結腸運動機能不全
,
結腸全摘術
,
回腸直腸吻合術
,
大腸通過遅延症
Keyword:
結腸運動機能障害
,
結腸運動機能不全
,
結腸全摘術
,
回腸直腸吻合術
,
大腸通過遅延症
pp.564-568
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289080564
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『便通異常症診療ガイドライン2023』では,機能性便秘症の診断で治療を開始し,その治療中に腹部CT検査で腸管に拡張がみられた場合,非狭窄性器質性便秘症(小腸・結腸障害型)と診断している.その病態は軽症から重症までかなりの差がある.器質的変化の進行を最小限に留めるような内科的治療が望まれ,病態の把握のために定期的な腹部CT検査を行うことが重要である.腹部CT検査では,水平断だけではなく冠状断によってどの部位の腸管がどの程度障害されているのかが評価できる.結腸運動機能障害が進行して結腸運動機能不全の状況にあり,拘束性呼吸障害,腎機能障害,循環器障害などの他臓器の機能障害を伴う場合や,高度腹満のため経口摂取量が低下し,低栄養状態に陥った場合が手術適応と考えている.結腸全摘術+回腸直腸吻合術が標準術式であるが,高度な直腸排便機能障害を伴っていた場合には,結腸全摘術+回腸人工肛門造設術が選択される.
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