特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
慢性便秘症の治療
難治性便秘に対する外科的治療
河原 秀次郎
1
1国立病院機構西埼玉中央病院外科
キーワード:
結腸全摘術
,
結腸運動機能不全
,
結腸運動機能障害
Keyword:
結腸全摘術
,
結腸運動機能不全
,
結腸運動機能障害
pp.103-105
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_103
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Summary
▪大腸の蠕動運動には “大蠕動” と “局所の蠕動運動” があり,大蠕動の消失によって結腸運動機能障害が生じる.
▪結腸運動機能障害の臨床症状が “慢性便秘” や “腹部膨満” であり,その治療として一般的に下剤が用いられている.
▪下剤の量を増加しても十分な排便がみられない場合には,“結腸運動機能不全” を疑って経時的に腹部CT検査を行う.
▪常に拡張した結腸が観察され,大量の便の停滞がみられた場合が “拡張型結腸運動機能不全” である.
▪4~6cm大のコロコロした便塊が数珠状に結腸全体を満たし,便の移送がみられない場合が “痙攣性便秘型結腸運動機能不全” である.
▪結腸運動機能不全に対しては,結腸全摘術+回腸直腸吻合術が標準術式であるが,直腸排便機能障害を伴う場合には,結腸全摘術+回腸人工肛門造設術を行うべきである.
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