特集 上部消化管内視鏡を見直す ―基本から応用まで
6.食道胃接合部領域における腫瘍性病変の拾い上げから質的診断まで
栗林 志行
1
,
田中 寛人
1
,
都丸 翔太
1
,
佐藤 圭吾
1
,
竹内 洋司
2
,
浦岡 俊夫
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
2群馬大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
食道胃接合部
,
扁平円柱上皮接合部
,
Barrett食道
Keyword:
食道胃接合部
,
扁平円柱上皮接合部
,
Barrett食道
pp.43-49
発行日 2024年12月20日
Published Date 2024/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003318
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食道胃接合部は呼吸や蠕動に伴い位置が変動してしまい,観察が困難であることも少なくない.食道胃接合部の腫瘍性病変の拾い上げには,深吸気を行って十分に食道胃接合部を広げて観察することが重要である.逆流性食道炎に伴う粘膜傷害や,炎症性ポリープと腫瘍性病変との鑑別が重要であり,通常観察だけでなく,画像強調観察を併用した表面構造や血管構造の不整の有無を評価することが有用であるが,実際にはびらんや粘液付着があり,詳細な評価が困難で,病理学的評価に頼らざるをえない症例も少なくない.Barrett食道癌の範囲診断には画像強調観察や酢酸散布が有用である.Barrett食道癌の深達度診断には通常観察による肉眼型評価が有用であるが,超音波内視鏡検査の成績は十分ではなく,正確な深達度診断が困難なケースもある.
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