特集 食道胃接合部の新展開
食道胃接合部の基本構造 食道胃接合部は内視鏡でどこまで診断できるか
草野 央
1
,
池原 久朝
,
堀井 敏喜
,
市島 諒二
,
江崎 充
,
鈴木 翔
,
後藤田 卓志
1日本大学 医学部内科学系消化器肝臓内科学分野
キーワード:
Barrett食道
,
食道胃接合部
,
食道炎-逆流性
,
食道鏡法
Keyword:
Barrett Esophagus
,
Esophagitis, Peptic
,
Esophagogastric Junction
,
Esophagoscopy
pp.680-687
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385450
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Barrett食道を背景とした食道腺癌は、本邦でも増加が予想されている。一方、本邦と欧米では内視鏡的な食道胃接合部(EGJ)の定義が異なっていることから、内視鏡的Barrett食道の診断が一致しているかどうか不明である。そこで同一の患者を対象に、本邦および欧米の基準をそれぞれ用いた際の内視鏡的EGJの視認性、内視鏡的Barrett食道の検出率を検討したところ、EGJの視認性、内視鏡的Barrett食道の検出率に有意差を認めた。本邦でもBarrett食道およびBarrett食道癌の増加が予想されているが、Barrett食道の診断基準が異なっているため欧米諸国と同一の病態をみていない可能性も高い。今後欧米と議論を行うためには、診断基準の統一、もしくは診断基準の差異によってどのような問題が生じるかを検討する必要がある。
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