特集 これからの胃癌診療
12.胃癌におけるプレシジョン医療
中山 厳馬
1
1国立がん研究センター東病院消化管内科
キーワード:
ゲノム医療
,
リキッドバイオプシー
,
分子標的治療薬
,
免疫化学染色法
Keyword:
ゲノム医療
,
リキッドバイオプシー
,
分子標的治療薬
,
免疫化学染色法
pp.940-950
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003114
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2019年にがん遺伝子パネル検査が本邦でも保険適用となり,プレシジョン医療が胃癌においても開始されたが,本邦の胃癌診療においてはその恩恵を受ける患者はごく一部に留まる.一方,HER2陽性から始まった免疫染色を用いたバイオマーカーによる個別化医療は選択肢が増えている.現在は,治療前にHER2,PD-L1,MMR,CLDN18.2の免疫染色を行い,治療選択を行うことが可能となった.今後,新規バイオマーカーの登場も期待されている.複数の免疫染色を治療前に行うことや,重複症例への対応などは今後の課題である.本稿では,プレシジョン医療と個別化医療のこれまでの流れを総括し,さらなる胃癌プレシジョン医療の実現に向けた展望を考察する.
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