特集 これからの胃癌診療
11.胃癌のゲノム医療
久保田 洋平
1
,
砂川 優
1
1聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座
キーワード:
胃癌
,
ゲノム医療
,
包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP)
Keyword:
胃癌
,
ゲノム医療
,
包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP)
pp.931-939
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003113
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2019年6月に包括的がんゲノムプロファイリング検査(comprehensive genomic profiling;CGP)が保険収載されてから約5年が経過し,胃癌を含めたあらゆる癌種においてゲノム医療が実臨床で盛んに行われている.切除不能・再発胃癌では,一次治療開始前にHER2,PD-L1の発現,MSIなどのバイオマーカーを考慮して最適な治療を考慮する必要がある.一次治療開始後は,適切なタイミングでCGP検査を行うことで治療選択肢が広がり,患者の予後を改善させる可能性が高まる.なお,胃癌におけるCGP検査の治療到達率は10~15%と報告されている.胃癌患者では後方治療に移行するほど全身状態が落ちやすくCGP検査の適応になりづらい症例が多いなどの問題点もあるが,CGP検査によって大きなベネフィットを得られる患者も一定数いると考えられる.したがって,胃癌患者においても新たな治療選択肢の可能性を広げるためにCGP検査の実施を常に検討することが重要である.
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