特集 これからの胃癌診療
2.H. pylori関連胃癌の内視鏡診断
小林 正明
1
,
堀 亜洲
1
,
富吉 圭
1
,
高橋 祥史
1
,
今井 径卓
1
,
塩路 和彦
1
1新潟県立がんセンター新潟病院消化器内科
キーワード:
H. pylori
,
除菌後胃癌
,
画像強調拡大内視鏡
Keyword:
H. pylori
,
除菌後胃癌
,
画像強調拡大内視鏡
pp.855-861
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003104
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H. pylori持続感染例の減少,除菌後の中~長期経過例の増加に伴い,発見される胃癌の内視鏡像が変わりつつある.除菌後胃癌の内視鏡所見は,発赤調,境界不明瞭,陥凹型が多く特徴的である.画像強調拡大観察でも,表面微細構造の不整が乏しく,非腫瘍粘膜の被覆や混在を認め,境界が不明瞭であることが多い.除菌後胃癌は,分化型粘膜内癌の頻度が高いが,逐年検査を行っていても浸潤後に発見されて,手術を要する場合もある.除菌後胃癌の拾い上げには,画像強調観察を併用して色調の違いにも注意する.これらを踏まえ,除菌後胃癌に対する長期間のサーベイランスを効率よく行う必要がある.
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