特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
6 .H. pylori 除菌後発見胃癌
吉田 尚弘
1
,
波佐谷 兼慶
2
,
土山 寿志
1
1石川県立中央病院消化器内科
2福井県立病院消化器内科
キーワード:
胃癌
,
除菌後胃癌
,
Helicobacter pylori
,
内視鏡
,
サーベイランス
Keyword:
胃癌
,
除菌後胃癌
,
Helicobacter pylori
,
内視鏡
,
サーベイランス
pp.1463-1469
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000126
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Helicobacter pylori (H. pylori)除菌後発見胃癌は一つのカテゴリーとして臨床的特徴を理解すべき胃癌である.H. pylori 除菌後発見胃癌は,白色光観察では病変が小さく不明瞭であることから病変の発見を困難とし,Narrow BandImaging 拡大観察では胃炎様所見の存在から境界が不明瞭となり質的診断を困難にするという内視鏡的特徴を有することが多い.H. pylori 除菌後患者においてはその特徴を理解したうえでの丁寧な内視鏡観察が必要となる.また,H.pylori 除菌が成功しても異時性胃癌発生率がゼロにはなるわけではないので定期的な内視鏡的サーベイランスは必須であり,胃温存を目標とした場合には1 年より短い間隔での内視鏡検査も検討すべきである.
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