特集 脂肪肝の新概念:MASLD
2.MASLD病態進行における宿主遺伝子要因のインパクト
芥田 憲夫
1
1虎の門病院肝臓内科
キーワード:
宿主遺伝子
,
microRNA
,
遺伝子多型
,
生命予後
,
リキッドバイオプシー
Keyword:
宿主遺伝子
,
microRNA
,
遺伝子多型
,
生命予後
,
リキッドバイオプシー
pp.742-749
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003074
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MASLDの病態進行に宿主遺伝子が与えるインパクトに関しては依然不明な点が多い.とくにMASLDは肝臓だけの疾患ではなく,肝疾患イベントを予測することが必ずしも生命予後の予測に繫がらないことは注意すべきである.虎の門病院の実臨床データによれば,経時的に変化しない遺伝子多型(ジェネティックな要因)よりも経時的に変化するmicroRNA(miR)(エピジェネティックな要因)のほうが病態の予測に有用な可能性がある.miRをターゲットとしたリキッドバイオプシーにより非侵襲的かつ経時的に病態の推移を評価することが,全身疾患まで視野に入れたMASLD診療には求められる.
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