4．好酸球性消化管疾患（1）診療ガイドライン

2022年に好酸球性消化管疾患（EGIDs）の新しい国際分類がなされ，好酸球性食道炎（EoE）とそれ以外の部位のEGIDsであるnon-EoE EGIDsに大別されることになった．わが国ではnon-EoE EGIDsにあたる包括病名としてこれまで好酸球性胃腸炎（EGE）を用いていた．そのため，わが国の「幼児・成人好酸球性消化管疾患診療ガイドライン」でもEoEとEGEに大別されている．ガイドラインでは，EoEは欧米での取り扱いも鑑みて記載され，わが国で報告の多いnon-EoE EGIDsは治療に関して，クリニカルクエスチョンが設定され，システマティックレビューを経て推奨が示された．その後，欧米では，診断に対する取り組みがEoEだけでなくnon-EoE EGIDsでもなされ，またわが国ではEoEに比して，non-EoE EGIDsで重症持続例が多いことが報告された．さらに米国でデュピルマブがEoEの治療薬として承認され，生物学的製剤への期待が高まっている．