特集 膵癌の早期診断 ―診療ガイドラインの改訂を踏まえて
5.Stage 0,ⅠA膵癌の診断と治療(4)CT,MRIの役割
井上 大
1
,
戸島 史仁
1
,
小森 隆弘
1
,
蒲田 敏文
1
1金沢大学附属病院放射線科
キーワード:
早期の膵癌
,
CT
,
MRI
,
early signs
Keyword:
早期の膵癌
,
CT
,
MRI
,
early signs
pp.183-188
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002512
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通常,膵癌は乏血性の浸潤性腫瘤として画像診断で検出されることが多いが,そのほとんどが進行膵癌でなかなか十分な予後を得ることが難しかった.近年,早期に見つかる膵癌において膵実質の限局性萎縮/脂肪沈着,遅延濃染,小囊胞,軽微な膵管狭窄/上流拡張といった画像所見(early signs)がみられることが知られてきた.またこれらの画像所見は数年単位で顕在化し,経時的に進行することも明らかとなってきた.CT,MRIなどはこういった画像所見を鋭敏に描出できることから早期の膵癌診断の糸口として非常に大きな役割を担っている.日常診療においては膵臓の形態やわずかな膵管径の変化などに注意を払い,所見を拾い上げることで膵癌の早期発見,診断に繫げることが重要である.
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