特集 膵癌の早期診断 ―診療ガイドラインの改訂を踏まえて
4.膵癌スクリーニングの可能性 ― 早期診断に向けて(1)リスク因子による絞り込み
佐上 亮太
1,2
,
錦織 英史
2
,
佐藤 孝生
2
,
水上 一弘
1
,
村上 和成
1
1大分大学医学部消化器内科学講座
2大分三愛メディカルセンター消化器内科
キーワード:
早期の膵癌
,
スクリーニング
,
スコアリングシステム
,
リスク因子
Keyword:
早期の膵癌
,
スクリーニング
,
スコアリングシステム
,
リスク因子
pp.147-153
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002506
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膵癌の早期診断,とくに腫瘍径10 mm以下での発見および治療は膵癌の予後改善のために重要であるが,小膵癌ほど有症状率が低い傾向がある.欧米では膵癌家族歴や遺伝素因保有者の登録体制が確立されており,それらを基盤としたスクリーニングが行われているが,遺伝性因子をもつ膵癌患者は全体の10%以下と少ない.一方本邦では軽微な症状や診断契機,リスク因子を評価し膵癌早期発見に繫げる診療体系が確立されつつある.具体的な早期の膵癌患者の各種因子保有率や早期の膵癌発見のためのスコアリングシステムなどを参考にし,日常診療においてさまざまな患者因子を常に意識し,かつ多角的に勘案することで膵癌早期発見に繫げる丁寧な診療が重要である.
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