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特集 胆管狭窄に迫る―悪性との鑑別が問題となる良性胆管狭窄
胆管狭窄良悪性の鑑別診断―画像でどこまでわかるか?
CT・MRI
Differential diagnosis between benign and malignant biliary stricture by CT and MR imaging
蒲田 敏文
1
,
松井 修
1
Toshifumi GABATA
1
,
Osamu MATSUI
1
1金沢大学大学院医学系研究科 経血管診療学 放射線科
1Department of Radiology,Kanazawa University Graduate School of Medical Science,Kanazawa
キーワード:
胆管狭窄
,
胆管壁肥厚
,
CT
,
MRI
Keyword:
胆管狭窄
,
胆管壁肥厚
,
CT
,
MRI
pp.305-316
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100263
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要旨
胆管狭窄は,胆管外からの圧排を除けば通常は胆管壁肥厚を伴う.良悪性の鑑別には,胆管内腔の性状を評価することが重要である.内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)や胆道鏡のほうがCTやMRI(MRCP)よりも内腔狭窄部の評価に優れているので,CTやMRIはむしろ胆管壁肥厚の性状(上下方向の範囲,肥厚の程度,全周性か偏在性か,濃染の程度,周囲への浸潤の有無など)から良悪性の鑑別を行うべきである.また,肝内胆管癌,胆嚢癌,膵癌などの悪性腫瘍が胆管に浸潤し,胆管壁肥厚,狭窄を呈することもあるので,CTやMRIの読影に当たっては胆管外の悪性腫瘍の有無にも注意を向ける必要がある.胆道系の悪性腫瘍と胆管炎や自己免疫性胆管炎などの良性疾患との鑑別が画像上困難な場合には,短期間の経過観察での画像所見の変化の有無を評価することも有用な手段になりうる.
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