特集 肝の超音波を知り尽くす ―びまん性肝疾患の診断
3.びまん性肝疾患(脂肪化)(3)NASH診断・NAFLDとの鑑別 a.エラストグラフィによるNASH診断
大枝 敏
1,2
,
高橋 宏和
1
1佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター
2佐賀大学医学部附属病院検査部
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
超音波エラストグラフィ
,
超音波減衰法
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
超音波エラストグラフィ
,
超音波減衰法
pp.1587-1592
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002423
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝硬変や肝癌に進行しうる慢性肝疾患であるため,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)からNASHを拾い上げることは重要である.NASHの確定診断には肝生検が必須である.しかし肝生検は,侵襲性・定量性・客観性・サンプリングエラーなどに課題が残る検査である.近年,超音波エラストグラフィや減衰法を用いた線維化や脂肪化評価が広く普及している.各社からさまざまな測定法を搭載した装置が販売されており,良好な診断能が報告されている.これらの技術はNASHの診断予測にも応用されており,FibroScan-AST scoreのように超音波によるエラストグラフィや減衰量といったパラメーターを含めた予測式が開発されており,NASHの非侵襲的診断法の開発や発展において,超音波関連技術の存在感は今後ますます高まることが予想される.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.