特集 最新の糖尿病診療と今後の展開
合併症診療Update
脂肪肝
岸川 まり子
1,2
,
山﨑 孝太
1
,
安西 慶三
2
,
高橋 宏和
3,4
1日本赤十字社唐津赤十字病院 内科
2佐賀大学 医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科
3佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター
キーワード:
2型糖尿病
,
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
インスリン抵抗性
Keyword:
2型糖尿病
,
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
インスリン抵抗性
pp.1175-1180
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1175
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Summary
▪2型糖尿病における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率は50%以上であり,高率である.
▪NAFLDの予後因子は肝線維化であり,2型糖尿病は肝線維化リスクとなる.また,NAFLDの発症や進展は糖尿病に悪影響を及ぼす.
▪NAFLDの死因の最多は心血管疾患(CVD)であり,糖尿病合併NAFLDではCVDを考慮した包括的な管理が求められる.
▪2型糖尿病合併NAFLDにおいては,血糖コントロールに加えて,肥満例で積極的な減量を考慮する.
▪現時点でNAFLD自体に保険適用のある薬剤はないが,糖尿病治療薬によるNAFLD肝病態の改善効果が示されており,糖尿病合併症例ではリスク・ベネフィットを考慮した薬剤選択を検討する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022