特集 サルコペニアと消化器疾患
3.サルコペニアと非腫瘍性疾患(肝・膵臓・消化管)(1)肝疾患とサルコペニア ―NAFLD/NASH・肝硬変を中心に
三輪 貴生
1
,
華井 竜徳
1
,
清水 雅仁
1
1岐阜大学大学院医学系研究科内科学講座消化器内科学分野
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
サルコペニア
,
肥満
,
低栄養
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
サルコペニア
,
肥満
,
低栄養
pp.313-321
発行日 2024年2月20日
Published Date 2024/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002963
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肝臓は栄養と代謝の中心的な臓器であり,慢性肝疾患患者は容易にサルコペニアをきたす.サルコペニアは肝疾患患者の生活の質と予後を悪化させるため,適切な評価と対策が喫緊の課題である.肝硬変患者では低栄養状態がサルコペニアに深く関与している.また,肥満とサルコペニアの両方を有する「サルコペニア肥満」と呼ばれる状態において,体重を減らしつつ筋肉質を維持するという二つの対立する目標を達成することが予後を改善する重要な要素とされている.そのため肝疾患患者に対しては肝疾患の背景因子,サルコペニア,肥満,栄養状態,身体機能について,多職種連携により包括的に評価し,栄養食事療法と運動療法を最適化することが予後を改善するうえで重要である.
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