特集 高齢者の消化器疾患 ― 適切な診断法と治療法を目指して
5.機能性下部消化管疾患―慢性便秘症を中心に
中島 淳
1
,
三澤 昇
1
1横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室
キーワード:
慢性便秘症
,
直腸内糞便塞栓
,
溢水性下痢
Keyword:
慢性便秘症
,
直腸内糞便塞栓
,
溢水性下痢
pp.161-166
発行日 2022年1月20日
Published Date 2022/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002087
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慢性便秘は高齢社会の到来でまさに高齢者の疾患となった.便秘は生命予後を悪化させるために積極的に治療介入をすべきであるが,高齢者では加齢による病態異常を理解したうえでの治療が求められる.とくに直腸内に糞便が貯留する糞便塞栓はポケットエコーなどで最近は容易に診断できるようになってきた.薬物治療では,酸化マグネシウムは高マグネシウム血症に注意すること,刺激性下剤はあくまでレスキュー薬として使用することが基本である.
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