特集 慢性便秘症の診療のポイント
2.慢性便秘症の疫学 ―日本/世界
小林 由美恵
1
,
大谷 恒史
1
1大阪公立大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
慢性便秘症
,
高齢者
,
リスク因子
Keyword:
慢性便秘症
,
高齢者
,
リスク因子
pp.277-281
発行日 2025年2月20日
Published Date 2025/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003374
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慢性便秘症とはおもに機能性便秘症のことであり,世界では10~15%と報告されている.本邦では高齢になるにつれ,男女ともに便秘症の割合は増加する傾向がある.便秘症のリスク因子は高齢,女性,ストレス,うつ病,身体活動の低下が挙げられているが,年齢や地域によってさまざまである.本邦の高齢化は世界で最も高く,高齢者の便秘治療は消化器領域だけではなく内科医として避けて通れないと思われる.2012年から便秘の新規治療薬が次々と登場しており,便秘症の特徴を知ることは治療を選択するうえでの参考になる.また近年では便秘症と腸内細菌叢との関連も報告されており,薬物治療だけでなく,非薬物治療についても知っておく必要がある.
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