特集 高齢者の消化器疾患 ― 適切な診断法と治療法を目指して
6．虚血性大腸炎
穂苅 量太
1
,
東山 正明
1
,
成松 和幸
1
1防衛医科大学校消化器内科
キーワード：
血便
,
腹痛
,
便秘
,
待機的大腸内視鏡
,
緊急大腸内視鏡
Keyword:
血便
,
腹痛
,
便秘
,
待機的大腸内視鏡
,
緊急大腸内視鏡
pp.167-174
発行日 2022年1月20日
Published Date 2022/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002088
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虚血性大腸炎は下部消化管出血のなかで頻度の高い疾患である．大腸の一過性の虚血で引き起こされる腸炎であり，8割以上の患者が高齢者である．大半の患者は一過性型であり自然軽快する．強い便秘でいきんだ後の発症が多く，腸管内圧亢進や蠕動亢進による粘膜内血流低下が誘因の一つと考えられている．高齢者で頻度が高い理由として，① 便秘症患者の増加，② 急激な血流需要の増大に対する適応反応の低下，③ 動脈硬化の頻度増加，などが考えられている．
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