特集 門脈圧亢進症に対する診療
3.門脈圧亢進症のおもな合併症―診療の実際(7)脾腫・脾機能亢進症
清水 哲也
1
,
吉岡 正人
1
,
松下 晃
1
,
上田 純志
1
,
谷合 信彦
1
,
吉田 寛
1
1日本医科大学消化器外科
キーワード:
脾腫
,
脾機能亢進症
,
門脈圧亢進症
Keyword:
脾腫
,
脾機能亢進症
,
門脈圧亢進症
pp.1541-1545
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002001
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門脈圧亢進症では,門脈系の血管抵抗の増大や流入血流量の増加による門脈圧の上昇により,門脈系がうっ血状態となる.脾臓に血液のうっ滞が起こり脾腫が出現し汎血球減少が生じた病態が脾機能亢進症である.脾機能亢進症の治療には部分的脾動脈塞栓術(PSE)と脾臓摘出術がある.PSEは脾臓機能が温存され,IVR(interventional radiology)にて低侵襲に治療することが可能である.脾臓摘出術は制御不能な脾機能亢進症や内視鏡治療が不可能な食道・胃静脈瘤症例が良い適応となる.脾臓の温存の是非に関してはいまだ結論に至らず,患者の状態や各施設の特色から患者にとって最適な治療法を選択することが肝要である.
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