特集 門脈圧亢進症に対する診療
3.門脈圧亢進症のおもな合併症―診療の実際(4)門脈圧亢進症性胃腸症の診断と治療
井上 博人
1
,
久永 宏
1
,
江森 啓悟
2
,
於保 和彦
3
,
豊永 純
4
,
鳥村 拓司
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学医療センター
3柳川病院
4白壽会 安本病院
キーワード:
門脈圧亢進症
,
門脈圧亢進症性胃症(PHG)
,
門脈圧亢進症性小腸症(PHE)
,
門脈圧亢進症性大腸症(PHC)
Keyword:
門脈圧亢進症
,
門脈圧亢進症性胃症(PHG)
,
門脈圧亢進症性小腸症(PHE)
,
門脈圧亢進症性大腸症(PHC)
pp.1518-1525
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001998
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門脈圧亢進症患者の内視鏡所見として,食道・胃静脈瘤に代表される消化管静脈瘤以外に,特徴的な病変として門脈圧亢進症性胃腸症(PHGE)を認めることがある.PHGEは出血頻度は低いが,致命的な出血の報告もある.本病変の本態は非炎症性で,門脈圧上昇による粘膜のうっ血が主体である.病理組織学的には,炎症を伴わない粘膜の浮腫性変化と血管拡張が特徴である.PHGEは門脈圧亢進の程度と内視鏡所見や重症度との相関性も報告があるが,内視鏡治療後の一時的増悪などもあり,まだ解明されていない部分も多い.本稿では,PHGEの概念,PHG,PHE,PHCの診断や内視鏡所見,治療などについて解説する.
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