特集 内視鏡検査で胃癌見落としゼロを目指して
2 .各論(4)胃癌リスク層別化検診に基づく内視鏡検査で胃癌を見落とさないための工夫
井口 幹崇
1
,
瀧 真也
1
,
伊藤 大策
1
,
前北 隆雄
1
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学消化器内科
キーワード:
リスク層別化
,
ペプシノゲン
,
Helicobacter pylori抗体
,
胃癌
,
内視鏡検診
Keyword:
リスク層別化
,
ペプシノゲン
,
Helicobacter pylori抗体
,
胃癌
,
内視鏡検診
pp.1315-1323
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001941
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血清ペプシノゲン(PG)値とHelicobacter pylori抗体価を組み合わせて胃炎の病期分類を行い,内視鏡検査を行う胃癌リスク層別化検診(ABC検診)がさまざまな職域や自治体で導入されている.内視鏡検診システムを構築するうえで大きなハードルとなるマンパワー不足に対する解決策として期待される対象集約法であるが,各群の胃癌リスクを十分理解したうえで運営する必要がある.とくに胃癌低リスクに分類されるA群の判定には注意が必要で,服薬歴や基礎疾患を含めた厳格な問診をしたうえでH. pylori感染を評価する必要がある.病期の進行とともに胃癌のリスクは上昇するが,個々のPG値でもハイリスク集団を推測することが可能であり,数値の取り扱いや内視鏡観察時のポイントを含め解説する.
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