特集 内視鏡検査で胃癌見落としゼロを目指して
1 .総論(2)胃癌を見落とさないために b.内視鏡検査のポイント―白色光,色素内視鏡を中心に
小田島 慎也
1
,
阿部 浩一郎
1
,
山本 貴嗣
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
胃がん検診
,
内視鏡検診
,
内視鏡観察法
Keyword:
胃がん検診
,
内視鏡検診
,
内視鏡観察法
pp.1259-1269
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001935
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内視鏡による胃がん検診が普及してきているが,その際の胃癌の見逃しは起こりうる問題である.当院の過去の見逃し症例を見直すと,その見逃しの原因は存在診断の誤り,質的診断の誤りの二通りあり,具体的には存在診断の誤りとして ① 胃全体を観察していない,② 胃内の洗浄が不十分,③ 近接観察ができていない,の3点,質的診断の誤りとしては ④ 近接観察ができていない(≒質的診断をしようとしていない),⑤ 気付いた異常の原因が腫瘍である可能性を考えていない,の2点が考えられた.これらをもとに各内視鏡医の内視鏡検査を見直す必要があるが,より精度の高い検査は時間を要する可能性もあり,時間と精度のバランスのとれた内視鏡を行えるように修練を積んでいく必要がある.
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