特集 内視鏡検査で胃癌見落としゼロを目指して
2 .各論(2)任意型胃癌内視鏡検診で胃癌を見落とさないための工夫
北沢 尚子
1
,
中島 寛隆
1
,
下井 銘子
1
,
門馬 久美子
1
,
榊 信廣
1
1早期胃癌検診協会附属茅場町クリニック
キーワード:
胃内視鏡検診
,
胃癌
,
見落とし
Keyword:
胃内視鏡検診
,
胃癌
,
見落とし
pp.1293-1302
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001939
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本稿では,偽陰性胃癌80例を対象に,見落とし要因を「認識エラー」と「撮影エラー」の視点で検討し,癌を見落とさないための工夫について考察した.認識エラーは62例(77.5%)で,対応として,淡い色調変化や小さなびらんなどのわずかな所見に注意し,画像強調法や色素散布の追加が有効と考えられた.また,初期像が解明されていない特殊な病変であっても適切に拾い上げられるよう,内視鏡医は常に新しい診断知識の習得に努めるべきである.一方,撮影エラーは18例(22.5%)で,網羅性の高い良好な撮影を心掛けることが重要である.見落とし症例を振り返り,その要因を分析することは自身の検査精度を評価するうえで有用であり,常に検査の精度を高める努力を続けることが重要と思われた.
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