特集 胆道感染症の診断・治療
16.医原性の胆道感染症の原因と治療
桒谷 将城
1
,
永井 孝輔
2
,
平田 甫
2
,
瀧新 悠之介
2
,
古川 龍太郎
2
,
川久保 和道
2
,
坂本 直哉
2
1北海道大学病院光学医療診療部/消化器内科
2北海道大学大学院医学研究院消化器内科学教室
キーワード:
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
胆管炎
,
胆囊炎
,
ステント
,
チューブ
,
閉塞
Keyword:
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
胆管炎
,
胆囊炎
,
ステント
,
チューブ
,
閉塞
pp.1215-1221
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001918
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胆膵領域へのインターベンションは医原性胆道感染症のリスクを伴っている.胆管造影による胆道内圧上昇,細胞診・生検に伴う機械的刺激,胆管金属ステント留置に伴う胆囊管閉塞がその主因となっている.診断に際しては,ASGE lexiconもしくは急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドラインを用いる.起因菌同定のための胆汁培養は重要ではあるが,陽性率は必ずしも高くない.治療には胆道内圧の減圧と適切な抗菌薬の投与が必要である.一般的には,グラム陽性腸球菌・グラム陰性腸内細菌,グラム陰性菌をターゲットとする.ESBL産生菌やカルバペネム耐性菌への注意とともに,安易な広域スペクトラム抗菌薬やカルバペネム系抗菌薬の使用は避けるべきである.
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