連載 検査値の読み方
ニューモシスチス肺炎発症時に診断されたHIV/HBV共感染症例
淺岡 良成
1
,
山本 藍
1
,
三浦 亮
1
,
吉野 友祐
1
,
田中 篤
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
ニューモシスチス肺炎
,
B型肝炎
,
HIV感染
Keyword:
ニューモシスチス肺炎
,
B型肝炎
,
HIV感染
pp.1223-1227
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001919
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感染経路を考慮すると,ニューモシスチス肺炎発症時に,HIV/HBV共感染が判明する症例を経験することは想定しておく必要がある.重症肺炎の場合,ステロイド投与が必要となるが,B型肝炎の活性化に対する注意も必要となる.一方で,HIV共感染のB型肝炎に対する核酸アナログ治療ではHIV耐性のリスクがあり,HBV,HIV双方に効果のある薬剤の治療が推奨されている.またHIV改善に伴って,免疫再構築症候群としてのニューモシスチス肺炎およびB型肝炎の増悪に関しても注意を払うことが求められる.今回,重症ニューモシスチス肺炎治療中,抗ウイルス薬を開始し,ステロイドを漸減することで病態のコントロールが可能であった症例を経験したため報告する.
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