特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵実地診療のコツ
閉塞性黄疸のドレナージ,何を考える?
桒谷 将城
1
,
岸 法磨
1
,
永井 孝輔
1
,
川久保 和道
1
,
坂本 直哉
1
1北海道大学病院 消化器内科
キーワード:
閉塞性黄疸
,
ドレナージ
,
ステント
,
チューブ
Keyword:
閉塞性黄疸
,
ドレナージ
,
ステント
,
チューブ
pp.41-46
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_41
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Summary
▪遠位胆管狭窄において,良性では,複数本のプラスチックステント(PS)もしくはカバード金属ステント(CSEMS)留置による治療を行う.悪性切除可能病変では,術前抗がん治療を行わない場合には必ずしもドレナージは必要なく,行う場合にはCSEMS留置が推奨される.悪性切除不能病変では,金属ステント(MS)留置が推奨されるが,アンカバード金属ステント(USEMS)とCSEMSの良し悪しについては,明確な結論は出ていない.
▪肝門部胆管狭窄において,良性では病態によってさまざまな対応が必要である.IgG4関連疾患ではステロイド投与,原発性硬化性胆管炎ではバルーン拡張,その他の場合には内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD),単数から複数本のPS/inside stent留置を適宜行う.悪性切除可能病変では,残肝予定領域に対して,ENBD/PS/inside stent留置のいずれかを施行する.悪性切除不能病変では,原則USEMS留置を行うが,肝予備能に応じた肝ドレナージ容積の確保が重要である.
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