特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴(1)細菌性腸炎(腸管出血性大腸菌,サルモネラ,カンピロバクター)
川本 雄也
1
,
松尾 裕央
1
1兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科
キーワード:
細菌性腸炎
,
腸管出血性大腸菌
,
サルモネラ
,
カンピロバクター
Keyword:
細菌性腸炎
,
腸管出血性大腸菌
,
サルモネラ
,
カンピロバクター
pp.279-284
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001699
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
細菌性腸炎は本邦でも頻度の高い感染症であり,多くは無治療で自然軽快するが,菌体,患者背景によっては重篤な合併症を起こし,致死的な経過を辿ることもある.本邦では腸管出血性大腸菌,サルモネラ菌,カンピロバクターの頻度が高いが,臨床像にはそれぞれ違いがあり,診断の方法や抗菌薬の適応も異なる.合併症に関しても,毒素により多臓器不全を起こすものや,菌血症から感染性大動脈瘤を発症するものなど,菌体ごとでさまざまである.本稿ではこれら菌体の臨床像,診断方法,治療法について,微生物学的特徴を踏まえたうえで述べる.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.