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今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎
カンピロバクター感染症
Campylobacter infection
山崎 伸二
1
,
日根野谷 淳
1
1大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科感染症制御学領域
キーワード:
カンピロバクター
,
食中毒
,
Guillain-Barré症候群
,
炎症性腸疾患
,
遺伝子検査
Keyword:
カンピロバクター
,
食中毒
,
Guillain-Barré症候群
,
炎症性腸疾患
,
遺伝子検査
pp.825-832
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103954
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●カンピロバクターは家畜の腸管内に生息しており,加熱不十分な食肉,特に鶏肉が感染源となり,ヒトに急性胃腸炎を引き起こす.
●Campylobacter jejuniとC. coliが食中毒原因菌として認められており,下痢症患者から分離される98%以上がこの2菌種である.
●C. jejuniによる下痢発症後,続発症として末梢神経障害であるGuillain-Barré症候群を引き起こすことがある.
●抗菌薬を含まない非選択培地を用いたケープタウンプロトコールと呼ばれる培養法で,下痢症患者からC. jejuni,C. coli以外のカンピロバクター属菌も多数分離されている.
●C. concisusなど,歯周病の原因となる口腔内細菌が,小児や成人の潰瘍性大腸炎やCrohn病など,炎症性腸疾患の原因となる可能性が報告されている.
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