特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴(2)腸内細菌の薬剤耐性菌(ESBLs,AmpC)
小野 大輔
1
1埼玉医科大学総合医療センター感染症科・感染制御科
キーワード:
腸内細菌科細菌
,
薬剤耐性
,
ESBLs
,
AmpC
Keyword:
腸内細菌科細菌
,
薬剤耐性
,
ESBLs
,
AmpC
pp.285-289
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001700
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消化器内科領域における感染症治療において,大腸菌をはじめとする腸内細菌科細菌は主たるターゲットである.基質特異性拡張型β—ラクタマーゼ(ESBLs),そしてAmpC型β—ラクタマーゼ(AmpC)は,腸内細菌科細菌が産生する薬剤耐性機構として,実臨床で遭遇する頻度が高く,その治療について習熟しておきたい.ESBLsおよびAmpC産生菌は抗菌薬治療が難しいことから,感染局所のソースコントロールはとくに重要である.抗菌薬については,カルバペネム系薬がともに第一選択であるが,種々の条件に応じて,ESBLs産生菌に対してセフメタゾール,AmpC産生菌に対してセフェピムといったように,ほかの抗菌薬の使用も検討される.
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