連載 検査値の読み方
肝細胞癌に対するマルチキナーゼ阻害薬―検査値に着目したマネージメント
内野 康志
1
,
吉田 英雄
1
1日本赤十字社医療センター消化器内科
キーワード:
Child—Pugh分類
,
ALBI grade
,
腫瘍マーカー
,
蛋白尿
,
甲状腺機能異常
Keyword:
Child—Pugh分類
,
ALBI grade
,
腫瘍マーカー
,
蛋白尿
,
甲状腺機能異常
pp.1613-1617
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001455
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2020年9月現在,肝細胞癌に対する全身化学療法としては,マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブ,レゴラフェニブ,レンバチニブと,ヒト型抗VEGFR—2モノクローナル抗体のラムシルマブがある.これらの薬剤は,血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR),血小板由来増殖因子受容体(PDGFR),線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR),Rafなどに対する阻害薬であり,作用機序が類似しており,副作用も共通しているものが多い.副作用として,手足症候群,下痢,高血圧,食欲不振,倦怠感,蛋白尿,血球減少,肝機能障害,肝性脳症,甲状腺機能異常,脱毛,嗄声,薬疹,間質性肺炎,膵炎,血栓塞栓症などがある.以下,肝細胞癌に対するマルチキナーゼ阻害薬投与に際して,とくに着目すべき臨床検査値について,適応,効果予測,副作用マネージメントの観点からまとめる.肝細胞癌に対するマルチキナーゼ阻害薬治療におけるマネージメントの際に着目すべき臨床検査項目を表にまとめた.
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