増大特集 脳とからだ
Ⅱ.グリアと脳の相互作用
甲状腺ホルモンによるグリア細胞の制御
野田 百美
1
Noda Mami
1
1九州大学大学院薬学研究院病態生理学分野
キーワード:
トリヨードサイロニン
,
T3
,
ミクログリア
,
甲状腺機能異常
,
認知症
,
性差
Keyword:
トリヨードサイロニン
,
T3
,
ミクログリア
,
甲状腺機能異常
,
認知症
,
性差
pp.412-415
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201402
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甲状腺ホルモンは,脳の発達・成長の段階で必須なホルモンであるだけでなく,成熟した脳でも重要な機能があり,亢進症・低下症は様々な精神症状を引き起こし,高齢では認知症・アルツハイマー病のリスクファクターとなっている。甲状腺機能異常の発症には顕著な性差があるが,そのメカニズムは不明である。本稿では,細胞レベル,および甲状腺機能異常症のモデルマウスを用いた組織レベルで,グリア細胞と神経突起のスパインに対する甲状腺ホルモンの作用とその性差・週齢差について示し,認知症を含む様々な精神神経症状のメカニズム解明,有効な予防法の確立に向けた今後の展望を述べる。
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