腎移植患者とSGLT2阻害薬

SGLT2 Inhibitor in kidney transplant recipients

はじめに

　カルシニューリン阻害薬の登場以降，腎移植成績は劇的に向上し，現在では日本における生体腎移植の10年生着率は80％を超えている。一方で2010年代に入り，2000年代と比較して生体腎移植の生着率はやや低下している^1）。この背景にはレシピエントおよびドナーの高齢化や糖尿病性腎症のレシピエントの増加が要因となっている可能性がある。免疫抑制薬が進歩し，拒絶反応がある程度制御できるようになった現在ではCKD-Tとしての管理の重要性がより注目されるようになっている。