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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
5.皮膚科医のための臨床トピックス
EGFR阻害薬・マルチキナーゼ阻害薬による皮膚障害とその対策
Skin lesions caused by EGFR inhibitors and multikinase inhibitors, and their countermeasures
末木 博彦
1
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
手足症候群
,
痤瘡様皮疹
,
爪囲炎・肉芽腫
,
乾皮症
,
耐性菌
Keyword:
手足症候群
,
痤瘡様皮疹
,
爪囲炎・肉芽腫
,
乾皮症
,
耐性菌
pp.165-167
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206050
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summary
EGFR阻害薬・マルチキナーゼ阻害薬による皮膚障害の現状を明らかにし,皮膚障害による中止例を最小限にすることを目的に調査を行った.方法:2015〜2017年度に国内12施設で経験した484事象を収集した.皮膚障害を理由とした中止率は全体の8.3%で中止全体の1/3を占めていた.中止の判断は主治医(処方医)が行っていた.患者自身の希望,選択が重視されることから症状の軽減に対する皮膚科医の関与や専門看護師の手厚いケアにより,中止率低減の余地があると考えられた.手足症候群の中止率が14.8%と最も高く,治療開始前の角質除去フットケアや免荷などの予防指導が十分とは言えない現状が明らかになった.新規治療薬の開発も急務である.痤瘡様皮疹へのミノマイシン予防投与は15/170例に施行され,うち4例にMRSA等耐性菌が検出された.痤瘡様皮疹への長期間にわたる抗菌薬内服,ステロイド薬の長期外用は避けるべきである.
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