特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
3.IBD 治療における寛解導入と寛解維持に関するトピック(4)IBD 寛解導入療法における再生医療
小田切 信介
1
,
大西 俊介
1
,
桂田 武彦
1
,
坂本 直哉
1
1北海道大学大学院医学研究院内科学講座消化器内科学教室
キーワード:
造血幹細胞移植
,
間葉系幹細胞
,
腸管上皮オルガノイド
Keyword:
造血幹細胞移植
,
間葉系幹細胞
,
腸管上皮オルガノイド
pp.1263-1266
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001324
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造血幹細胞移植は合併症の問題や寛解率の低さから炎症性腸疾患の治療として確立されていないが,炎症性腸疾患の一部に本治療が有効と考えられる単一遺伝子疾患が存在するため,このような症例の拾い上げが重要であると考えられる.間葉系幹細胞移植は,とくにクローン病の痔瘻に対して,phase 3の試験で他家脂肪由来の間葉系幹細胞の有効性と安全性が示されており,欧州ではすでに承認されている.また骨髄や臍帯,羊膜由来の間葉系幹細胞の研究も進められている.腸管上皮オルガノイド移植は,培養方法と腸炎モデルに対する移植の報告はすでにされており,今後ヒトへの臨床応用が期待される.
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