特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
3.IBD 治療における寛解導入と寛解維持に関するトピック(1)IBD 治療における青黛の有用性と安全性
長沼 誠
1
1関西医科大学医学部第三内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
治療抵抗性
,
青黛
Keyword:
炎症性腸疾患
,
治療抵抗性
,
青黛
pp.1245-1249
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001321
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青黛はリュウキュウアイ,タデ科のアイなどの葉や茎から抽出された粉末の生薬であり,古くから抗炎症効果を有することが知られていた.近年その機序として,青黛に含まれているインジゴ,インジルビンがインターロイキン22の産生を誘導することにより粘膜治癒効果を有すると考えられている.われわれは潰瘍性大腸炎に対する青黛の有効性を検証するために,多施設共同研究を行い,0.5~2.0 g/day 8 週間の治療はプラセボに比して有効率が高いこと,治療抵抗例においても有効であることを確認した.一方で肺動脈性高血圧症や腸重積などの重篤な副作用を生じる可能性があることを,本治療を行う医師は患者に伝える必要があると考えられる.副作用の観点から青黛は難治例に対して中心に使用されるべきである.
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