特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
3.IBD 治療における寛解導入と寛解維持に関するトピック(2)クローン病寛解導入療法におけるDelayed response について
新﨑 信一郎
1
,
飯島 英樹
1
,
竹原 徹郎
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
ステロイド
,
TNF‒α
,
IL‒12
,
IL‒23
,
インテグリン
Keyword:
ステロイド
,
TNF‒α
,
IL‒12
,
IL‒23
,
インテグリン
pp.1251-1255
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001322
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近年の生物学的製剤開発の進歩により,クローン病の寛解導入に使用可能な薬剤が増えてきていることは医師・患者双方にとって喜ばしいことである.一方で,選択肢が増えるに伴い,薬剤ごとの効果発現の速さに若干の違いがあることを臨床的に実感する.薬剤ごとの作用機序の違いが効果発現の遅速に影響を及ぼしていることが推察されるが,効果発現の時期について詳細に検討した報告はほとんどないのが現状である.本稿では,クローン病寛解導入療法において薬剤投与後に臨床的改善を認める時期について薬剤ごとに整理するとともに,その背景となる作用機序の差異について考察し,delayed response が起こる薬剤の特徴について概説したい.
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