特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
3.IBD 治療における寛解導入と寛解維持に関するトピック(3)IBD 寛解維持期における便中マーカーによるモニタリング
平岡 佐規子
1
,
安富 絵里子
2
,
岡 昌平
2
,
井口 俊博
3
,
高原 政宏
4
,
岡田 裕之
2
1岡山大学病院炎症性腸疾患センター
2岡山大学病院消化器内科
3岡山大学病院実践内視鏡学講座
4津山中央病院内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
バイオマーカー
,
カルプロテクチン
,
免疫学的便潜血検査
Keyword:
炎症性腸疾患
,
バイオマーカー
,
カルプロテクチン
,
免疫学的便潜血検査
pp.1256-1262
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001323
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炎症性腸疾患(IBD)診療における治療の選択肢は年々増えており,多くの患者に速やかな寛解導入,長期の寛解維持が望めるようになってきた.しかし,いったん寛解となっても再燃する場合はあり,その場合にはいかに早期に治療介入できるかが,重要となってくる.再燃を早期に発見するためには,臨床症状の確認とともに,粘膜治癒と相関し,かつ,非侵襲性で繰り返し測定可能なバイオマーカーをうまく利用することが重要である.バイオマーカーの有力な候補として,便中マーカーである便中カルプロテクチン,免疫学的便潜血法がある.臨床的寛解であっても継続的にそれら測定値の上昇を認めた場合は,再燃の可能性を考える必要がある.
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