特集 あなたの知らないIBD診療の世界
2.新規治療法・検査法(4)IBDに対するバイオマーカーの使い方 ―血中マーカーと便中マーカー
井口 俊博
1
,
平岡 佐規子
2
,
青山 祐樹
1
,
竹井 健介
1
,
井川 翔子
1
,
高原 政宏
1
1岡山大学病院消化器内科
2岡山大学病院炎症性腸疾患センター
キーワード:
炎症性腸疾患
,
バイオマーカー
,
免疫学的便潜血検査
,
便中カルプロテクチン
,
LRG
Keyword:
炎症性腸疾患
,
バイオマーカー
,
免疫学的便潜血検査
,
便中カルプロテクチン
,
LRG
pp.422-428
発行日 2023年3月20日
Published Date 2023/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002571
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潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)は,単なる症状の改善にとどまらず,内視鏡的な治癒を目指すことにより予後が改善することが証明されている.したがって内視鏡的活動性の把握が重要であり,内視鏡重症度の代替マーカーである,血中,便中マーカーをそれぞれ上手に使いこなすことが肝要である.一方で各マーカーの注意点があり,血中マーカーではCRPだけでなく,近年LRGが利用可能となり,実臨床での活用が期待される.また便中マーカーはとくに疾患活動性が落ちてきたステージでの利用がより有用であり,内視鏡的寛解の判断に強みをもつ.IBD診療においては,各マーカーの長所,注意点に習熟し,より良いモニタリングを行うことが求められる.
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