特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
1.潰瘍性大腸炎に対する寛解導入と寛解維持(4)潰瘍性大腸炎治療の寛解導入と寛解維持における内視鏡介入の意義
髙橋 索真
1,2
,
稲葉 知己
1,2
,
大谷 弘樹
2,3
,
安藤 翠
4
,
中村 聡子
4
,
溝渕 光一
4
1香川県立中央病院消化器内科
2香川県立中央病院IBD センター
3香川県立中央病院消化器・一般外科
4香川県立中央病院病理診断科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
寛解導入
,
寛解維持
,
大腸内視鏡検査
,
粘膜治癒
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
寛解導入
,
寛解維持
,
大腸内視鏡検査
,
粘膜治癒
pp.1207-1212
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001316
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潰瘍性大腸炎の診療において大腸内視鏡検査(colonoscopy;CS)は,急性期は診断と治療効果判定に必須であり,寛解期は病勢評価および合併する癌のスクリーニングとしての意義を有する.急性期は鑑別診断の必要もあり可能なかぎり早期のCS の実施が望ましいが,穿孔等の偶発症に十分留意すべきである.治療効果判定のCS は寛解導入療法の種類により適切な施行時期は異なり,臨床的に患者の状態評価を適切に行うことが大前提である.寛解期の適切なCS 施行のタイミングに関しては明確なエビデンスが存在しない.近年の粘膜治癒を重視した寛解期のマネジメントにおいては,CS による粘膜評価は重要であり,組織学的評価も予後予測等に有用である.現時点で得られる情報を基に,潰瘍性大腸炎治療におけるCS の意義について概説する.
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