これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅳ 消化管超音波検査 ③ 消化管粘膜下腫瘍
舩坂 好平
1
1藤田医科大学消化器内科Ⅰ
キーワード:
超音波内視鏡(EUS)
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS‒FNA)
,
粘膜下腫瘍
,
gastrointestinal stromal tumor(GIST)
Keyword:
超音波内視鏡(EUS)
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS‒FNA)
,
粘膜下腫瘍
,
gastrointestinal stromal tumor(GIST)
pp.1138-1143
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001295
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粘膜下腫瘍は粘膜より深部に存在する壁内病変により粘膜が挙上されて生じた隆起の総称である.日本では文字どおりsubmucosal tumor(SMT)と表記されるが,実際は粘膜下層から発生するものばかりではなく,また隆起成分のすべてが腫瘍(tumor)と限らないということから,欧米ではsubepithelial lesion(SEL)と呼称されている.粘膜下腫瘍の診断のためには,腫瘤が上皮由来か非上皮由来か,腫瘍性か非腫瘍性か,悪性所見があるかなどを鑑別する必要があるが,通常内視鏡では腫瘤の外観しか観察できないため鑑別困難な症例も多い.また鉗子生検では上皮下の組織が得られにくい.そのため超音波内視鏡検査(EUS)による画像診断や超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS‒FNA)による組織採取が鑑別および確定診断において有用である.本稿では粘膜下腫瘍の鑑別診断,EUS 所見による鑑別,組織診断,マネジメントについて述べる.
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