これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅳ 消化管超音波検査 ② 超音波内視鏡検査 ① 超音波内視鏡による消化管描出法(専用機・細径プローブとも)
宮原 良二
1
,
舩坂 好平
2
,
廣岡 芳樹
1
1藤田医科大学医学部消化器内科学Ⅱ
2藤田医科大学医学部消化器内科学Ⅰ
キーワード:
深達度診断
,
消化管壁層構造
,
胃癌
,
食道癌
,
粘膜下腫瘍
Keyword:
深達度診断
,
消化管壁層構造
,
胃癌
,
食道癌
,
粘膜下腫瘍
pp.1113-1117
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001291
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消化器内視鏡検査の一つである超音波内視鏡検査は,消化管領域において非侵襲的に消化管層構造の画像化を可能とする.超音波内視鏡機器には,超音波観測装置を備えた専用機と,通常径内視鏡の鉗子口から挿入可能な細径プローブに分けられる.専用機では,進行癌の深達度診断と傍消化管リンパ節の画像診断,粘膜下腫瘍の画像診断,粘膜下腫瘍や傍消化管リンパ節に対する穿刺生検に用いられる.画像診断においては,B‒mode 以外に,ドプラによる血流の評価,エラストグラフィによる組織硬度の評価も可能となっている.細径プローブは,描出可能な深度は浅くなるため消化管深部や壁外の観察には不向きであり,おもに粘膜層~粘膜下層が対象となる.消化管早期癌や表層型悪性リンパ腫の拡大内視鏡観察と連続して施行し,早期消化管癌の壁深達度診断や,上皮過伸展の診断などに用いられる.とくに,早期消化管癌に対するESD 治療適応を判断する際に,重要な役割を果たしている.
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