これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅱ 肝臓領域 ② びまん性肝疾患(脂肪化診断) ② 超音波による肝脂肪化診断
西村 貴士
1,2
,
飯島 尋子
1,2
1兵庫医科大学超音波センター
2兵庫医科大学消化器内科
キーワード:
超音波減衰法
,
CAP
,
ATI
,
U‒GAP
,
ATT
Keyword:
超音波減衰法
,
CAP
,
ATI
,
U‒GAP
,
ATT
pp.971-975
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001267
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近年,慢性肝疾患の原因として非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease;NAFLD)の増加が注目されており,その10~20%は非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholicsteatohepatitis;NASH)とされ,その5~20%は肝硬変への進展を認める.病理学では従来,30%以上の肝細胞に脂肪滴を認めるものを脂肪変性と定義してきたが,近年は5%以上と定義されているため,肝線維化の評価とともにまず脂肪肝(肝脂肪化)の診断は重要である.またC 型肝炎は脂肪肝を伴いやすいこと,経口抗ウイルス薬(direct acting antivirals)の登場により,ウイルス排除率は100%に近いが,ウイルス排除後も脂肪肝が存在すること,B 型肝炎や他の慢性肝疾患にも脂肪肝は合併することからもその重要性がうかがえる.近年,非侵襲的肝線維化診断は超音波エラストグラフィが普及しつつある.さらに超音波減衰法による肝脂肪化診断法が開発され,定量評価が可能となった.
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