特集 薬物療法がひらく新しい肝細胞癌の治療strategy
2 .肝細胞癌に対する薬物療法の現状と課題(4)肝細胞癌に対するラムシルマブのエビデンスと初期使用経験
末廣 洋介
1
,
河岡 友和
1
,
内川 慎介
1
,
相方 浩
1
,
茶山 一彰
1
1広島大学病院消化器・代謝内科
キーワード:
進行肝細胞癌
,
ラムシルマブ
,
初期経験
,
有効性
,
安全性
Keyword:
進行肝細胞癌
,
ラムシルマブ
,
初期経験
,
有効性
,
安全性
pp.847-852
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001232
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ラムシルマブは,REACH‒2 試験において,進行肝細胞癌に対するソラフェニブ不応・不耐,AFP 400 ng/ml 以上の患者に対してsurvival benefitが証明され,2019 年6 月に本邦で保険適応追加承認された.当院の市販後の初期使用経験では,現在,臨床試験同様の有効性,安全性を確認している.また,これまでの低分子化合物の分子標的治療薬と異なり,忍容性は良好で高い用量強度が維持されており,日本人集団における期待は大きい.肝癌薬物療法において,抗体薬という新たな分子標的治療薬が選択肢として加わり,今後,多剤薬物療法による進行肝細胞癌患者のさらなる予後の改善が期待される.
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