特集 薬物療法がひらく新しい肝細胞癌の治療strategy
3 .肝細胞癌に対する新規薬物療法の最新情報(2)アテゾリズマブとベバシズマブ併用の最新情報
岩本 英希
1,2
1久留米大学内科学講座消化器内科部門
2岩本内科医院
キーワード:
アテゾリズマブ
,
ベバシズマブ
,
進行肝細胞癌
,
癌免疫
,
分子標的治療薬
Keyword:
アテゾリズマブ
,
ベバシズマブ
,
進行肝細胞癌
,
癌免疫
,
分子標的治療薬
pp.859-863
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001234
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抗PD‒L1 抗体アテゾリズマブと抗VEGF‒抗体ベバシズマブの併用療法について,まとめた.本併用試験は,ソラフェニブに対して大規模比較試験において優越性を示した唯一の併用療法であり,今後の切除不能進行肝細胞癌の治療を大きく変えうる治療となる.第3 相試験(IMbrave 150)では,全生存期間は併用群では中央値に達さず,ソラフェニブ群で13.2 カ月(p=0.0006),無増悪生存期間は併用群で6.8 カ月に対しソラフェニブ群で4.3 カ月(p<0.0001)とアテゾリズマブとベバシズマブの併用療法は有意な有効性を示した.また,PhaseⅠb 試験(G030140)では,アテゾリズマブ単剤とベバシズマブの併用療法を比較し,併用することの意義を示している.ベバシズマブを併用することは,癌免疫を賦活化し,アテゾリズマブの効果を増強するのではないかと考えられる.それらを試験結果の解説とともに考察した.
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