Japanese
English
特集 肝細胞癌の病態と新しい治療戦略
進行肝細胞癌に対する動注化学療法
Treatment of Advanced Hepatocellular Carcinoma Using Hepatic Arterial Infusion Chemotherapy
田中 正俊
1
,
安東 栄治
2
Masatoshi TANAKA
1
,
Eiji ANDO
2
1久留米大学医療センター消化器内科
2久留米大学医学部第二内科
1Department of Gastroenterology, Kurume University Medical Center
2The Second Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
キーワード:
進行肝細胞癌
,
肝動注化学療法適応
,
効果判定
,
追加治療
Keyword:
進行肝細胞癌
,
肝動注化学療法適応
,
効果判定
,
追加治療
pp.443-449
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900433
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進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法は既存の治療が無効と考えられる症例で十分な治療が遂行できる場合に適応がある.したがって,腫瘍の進展度が高度な門脈腫瘍栓例(非切除例),肝内転移をともなう塊状型,およびびまん型(多発肝内転移)肝癌で肝機能の良好な症例が適応になる.これらの症例に対して行う肝動注化学療法の意義は寛解導入療法であり,腫瘍が縮小した場合には,さらに奏効率の高い治療(切除,動脈塞栓術,経皮的局所治療)を追加治療として施行し,肝内の濃染する肝細胞癌の完全除去につとめることが患者の長期生存につながる.この目的が達成できない場合には維持治療につとめるが,漫然と維持治療を続けると肝機能の低下をきたすことが多いので適切な休薬期間を設けることが予後改善に重要である.このためには定期的に治療効果判定を行うことと,適時薬剤変更を行うように心掛けることが必要である.
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