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文献紹介 トファシチニブによる乾癬患者の炎症経路抑制に関する無作為第Ⅱ相試験
龍神 操
1
1慶應義塾大学
pp.726
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205188
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乾癬はT細胞,樹状細胞を中心とした炎症細胞による炎症とそれに伴うサイトカインの上昇に起因する.Janus kinase(JAK)阻害剤であるトファシチニブは各種第Ⅲ相試験において乾癬に対する有効性が認められているが,その作用機序はいまだ明確でない.今回の第Ⅱ相試験では乾癬の皮膚病変につき組織学・免疫学・遺伝子発現・サイトカイン濃度等を経時的・多角的に分析することで,トファシチニブの乾癬皮膚症状改善におけるメカニズムを解明することを目的とした.
試験内容として,局面型乾癬患者12名をトファシチニブ内服群9名,プラセボ群3名に分け,内服開始前の無疹部・病変部,内服開始1・3日後,1・2・4・12週後の病変部よりパンチ生検にて皮膚組織を採取した.得られた組織における表皮およびT細胞,樹状細胞を免疫染色により分析し,さらにマイクロアレイを用いてmRNAトランスクリプトームを評価した.
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