特集 膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症
5 .臨床症状と膵胆道合併症
田島 義証
1
,
船橋 功匡
1
,
久守 孝司
1
,
西 健
1
,
林 彦多
1
,
川畑 康成
1
1島根大学医学部消化器総合外科
キーワード:
膵・胆管合流異常
,
先天性胆道拡張症
,
膵胆管高位合流
,
膵管癒合不全
Keyword:
膵・胆管合流異常
,
先天性胆道拡張症
,
膵胆管高位合流
,
膵管癒合不全
pp.379-384
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001107
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膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症は膵胆管形成異常の一つであり,症状と膵胆道合併症は小児と成人で異なる.小児は有症状率が約90%と高く,腹痛,嘔吐,黄疸,発熱,灰白色便などを契機に先天性胆道拡張症として発見されることが多い.胎児エコーによる出生前診断も増えてきた.合併症としては胆石,胆管炎,蛋白栓,膵炎,胆道穿孔などがある.一方,成人の有症状率は約50%で,腹痛,発熱,黄疸,背部痛などがみられるが,無症状で経過し,健康診断や人間ドック,他疾患の精査中に偶然に胆管非拡張型の膵・胆管合流異常として発見されることも多い.合併症は,胆道癌が約25%にみられ,ほかに胆石,胆道炎,急性膵炎などがある.
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