Japanese
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特集 十二指腸主乳頭と副乳頭の病態に迫る
各論
膵・胆管合流異常の診断と治療の問題点
Some problems in the diagnosis and the treatment in pancreaticobiliary maljunction
安藤 久實
1
,
金子 健一朗
1
,
小野 靖之
1
,
田井中 貴久
1
,
村瀬 成彦
1
,
廣岡 芳樹
2
Hisami ANDO
1
,
Kenichirou KANEKO
1
,
Yasuyuki ONO
1
,
Takahisa TAINAKA
1
,
Shigehiko MURASE
1
,
Yoshiki HIROOKA
2
1名古屋大学大学院医学系研究科 小児外科
2名古屋大学 光学医療診療部
1Department of Pediatric Surgery, Nagoya University Graduate School of Medicine
2Department of Endoscopy, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
膵・胆管合流異常
,
胆管非拡張型合流異常
,
先天性胆道拡張症
,
ERCP
,
EUS
Keyword:
膵・胆管合流異常
,
胆管非拡張型合流異常
,
先天性胆道拡張症
,
ERCP
,
EUS
pp.497-503
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100617
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要旨
膵・胆管合流異常の診断に様々な画像機器が用いられているが,膵管と胆管が十二指腸壁外で合流していることを明らかにし,乳頭部括約筋の作用範囲を確定して合流異常を正確に診断することは容易ではない.共通管の異常な長さに対する基準値も6mmから15mmまで各施設においてバラバラである.一方,胆管径の正常上限値に関して,5歳で3.9mm,15歳で5.0mm,20歳で6.1mm,60歳で7.9mmとの提案がなされているが,拡張基準を10mm以上,あるいは15mm以上としている施設も多く,胆管非拡張型合流異常として処理されている例の中に先天性胆道拡張症が多く含まれている可能性を否定できない.また,胆管非拡張型合流異常における胆管癌の発生率に関するとらえ方も見解が異なっている.胆囊摘出のみを行った場合の術後の胆管癌の発生率や,分流手術を行った場合の胆管炎の発生率などにも留意しながら,合流異常に対する正確な診断とより良い治療を追求していく必要がある.
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