Japanese
English
特集 肝胆膵疾患に挑む―次世代へのメッセージ
各論
副膵管および膵胆管形成異常の発生機序
Embryology of the accessory pancreatic duct and pancreatobiliary malformations
神澤 輝実
1
Terumi KAMISAWA
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious diseases Center, Komagome Hospital
キーワード:
副乳頭
,
副膵管
,
膵管癒合不全
,
膵・胆管合流異常
,
輪状膵
Keyword:
副乳頭
,
副膵管
,
膵管癒合不全
,
膵・胆管合流異常
,
輪状膵
pp.566-576
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100636
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要旨
膵臓は,背側膵原基と腹側膵原基が癒合して形成される.副膵管の走行形態を,主乳頭開口部から副膵管合流部までの主膵管の距離により,主膵管と膵頸部で合流し上流背側膵管と直線化をなすlong typeの副膵管と,主膵管の下頭枝の分岐部近傍で主膵管と合流するshort typeの副膵管に分類した.主膵管内色素注入法により検討した十二指腸副乳頭の開存率は,副膵管の口径,走行形態および末端像と関連性を認めた.急性膵炎例の副乳頭開存率は低値であり,副膵管の開存は第2の膵液ドレナージシステムとして,急性膵炎の発症を防止する安全弁として機能する可能性が示唆された.Long typeの副膵管は,胎生期の背側膵原基の主導管がそのまま残存したと考えられた.一方,short typeの副膵管は背側膵原基の主導管から派生した長い下頭枝が腹側膵原基の主導管と下頭枝分岐部近傍で癒合し,これが交通路となり,腹側膵原基の主導管と癒合した近位側の背側膵原基の主導管は退縮したと推察された.さらに,導管像などの解析から膵管非癒合,膵管不完全癒合,膵・胆管合流異常,輪状膵の発生機序を推察した.
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